Mさん、貴方が寝ている間に一つずつ準備が進んでいます。
今にも起き上がりそうな顔色で寝てましたけど。
D君も来ました。
テキパキとOB連中にも連絡を取り、通夜に並べる供物の手配をしていました。
あの頃のやんちゃそうな横顔は、欠片も見えないです。
今や情報管理室長だもの....ね。
Iさんは副部長、Tさん、Kさんは看護師長....
Mさん、やんちゃ坊主ばかりだった貴方の部下達は
みんな立派になりました。
いったい何が寂しかったのですか・・・。
集まれと、ちゃんと伝えてくれていたら
皆すぐに集まったはずなのに、明日は沢山の人が貴方に会いに来ますよ。
なんで一人で寂しがっていたんだろうかと。
ノートに「もう ゆっくり眠りたい」って
そう書いてあったけど、
いつでもゆっくり寝られたはずじゃない。
あちらに行ったら、理事長とか石○さんとか先に渡った人達が
沢山持ってたんでしょうか。
寂しがりだから、まだ、家の周りでウロウロしているのかも知れない。
そういえば....
3時頃から、外にいた私の周りを黒い薄羽蜉蝣が飛んでいました。
余りいつまでも周りを飛んでいたので、息子さんを呼んだら
どこかへ飛んで行ってしまったけど。
あれは、Mさんだったのですか....
ホントに、息子さんを呼んだ途端に何処かへ飛んで行ってしまいました。
お酒さえ飲んでいなければ、私はいつでも話し相手になれたのに
最近は、少し飲んでも酔っ払ってしまっていたそうですね。
いつも「オールド1本くらい」って・・・言ってたのに。
いつもズレたカラオケばっか歌って、ズレると上手に聞こえる歌ばかり探して・・。
金がない癖に、まだ学生だった私達を飲みに連れて行ってくれて。
いつも、何を言っても「良し判った、儂がなんとかしてやる」って、そんな感じで。
なんとかしてしまったのもすごかったけれど。
でも、そんなに寂しがりだったんですか。
そう言えば、いつか長崎へ連れてってくれる話は、もう....無理ですね。
事務長は、通夜も葬儀も来て下さるそうです。
まだ、オペ後で身体が万全ではないのに来てくれるそうです。
みんなMさんのことを気にかけていたんですよ。
どうして判ってくれなかったんですか。
いつも、真ん中にいてくれた人だから、寂しかったのですか。
今日は一日、時間が止まったような感じでした。
電話もかからず、なんにも無い時間が過ぎていきました。
色々あったことが、一つずつ浮かんでは消えていきます。
一人ではなかったのにね。
貴方ほどの人が、そんなに寂しかったのですね。
ごめんなさい。