ume_boshiの          ブログ

人生の半ば、ふとした迷いから転職をしてしまった元看護師のぼやきです。

泣いてしまいます

おもちゃを動かす3歳児…遠藤由理さんの体験

 おもちゃにまつわる不思議な話もある。

 宮城県石巻市の遠藤由理さん(42=年齢は取材時)は、津波で3歳9か月の長男・康生(こうせい)ちゃんを失った。康生ちゃんは目がクリクリとした、とても愛らしい子どもだった。震災から約1か月後、遺体は見つかった。震災後、遠藤さん一家は「みなし仮設住宅」に住んでいたが、不思議な体験をしたのは、震災から2年たった頃。「康ちゃん、どうしてるんだろ。会いたいなあ」という思いが頂点に達したときだったという。

「二〇一三年のいつでしたか、暖かくなり始めた頃でしたね。あの日、私と中学生の娘と主人と、震災の翌年に生まれた次男の四人で食事をしていたんです。康ちゃんと離れて食べるのもなんだから、私が祭壇のほうを振り向いて、
『康ちゃん、こっちで食べようね』
 そう声をかけて『いただきます』と言った途端、康ちゃんが大好きだったアンパンマンのハンドルがついたおもちゃの車が、いきなり点滅したかと思うと、ブーンって音をたてて動いたんです」
 (中略)
『康ちゃん、もう一回でいいからママにおもちゃ動かして見せて』
 心の中でお願いしたんです。そしたらまた動いたんですよ。
『康ちゃん、ありがとう』
 こんな近い距離で私たちを見てるんだ。そう思ったとき、昔から私に『笑って、笑って』とひょうきんな顔をしたのを思い出しましてね。そうだ、私も笑わなきゃだめだ、頑張らなきゃだめだと思ったのです」

(「『ママ、笑って』――おもちゃを動かす三歳児」から)
 
そんな経験が皆無な私などは
本当の話なんだろうか・・・と思ってしまうけれど
あるのかも知れない。
霊であっても、怖くなど無い母の気持ちがひしひしと伝わってくる。
 
たまたまオモチャが動いてしまっただけだろう・・・
そう切り捨てる人がいるかも知れない。
そのひとときの空気はどんなモノだったろうかと
母の目には、我が子の姿がきっと見えていたのだろうと思う。
こんなことがもしもあったなら、私は涙が止まらなくなってしまう。
その前に、我が子を失うという衝撃に耐えられないかも知れない。
そんな自分には、大きな不幸に見舞われずに今日まで生きてくることが出来た。
きっと、それを幸せというんだろうね。
 
合掌