ume_boshiの          ブログ

人生の半ば、ふとした迷いから転職をしてしまった元看護師のぼやきです。

嵐が過ぎ去ったような…

前回日記を書いた翌日の12日の正午

母が逝った。

妻が「母親が息をしていないみたいだ」と伝えてきたため

部屋へ行って、すぐに蘇生(心マ)を試みたが

既に下顎が固くなってきており、蘇生を開始した時点で

既に2時間ほど経過していた可能性がある。

口に出さなかったが、「もう間に合わない、蘇生してもダメだ」と感じた。

初めて母の頬を叩いて、「おっかぁ、起きろ」と何度も繰り返したと思う。

それから後のことは、救急車が来て、妻同乗で日赤に搬送されて

車で追いかけて病院へ行って、警察の現場検証があったりして

バタバタで…(家で死亡した場合、警察が確認に来るらしい)

気が付けば夜になっていたと思う。

葬儀社へ遺体引き取りの依頼をしたが、PCR(+)だったため

葬儀の予定がはっきり立たないなど、イライラしてしまったりして

気持ちが昂っていたためかよく覚えていない。

 

そして、気が付けば、今は、通夜も葬儀が終わって自宅にいる状態。

とてつもない嵐が過ぎ去った後の様な…

母は、遺影の額の中で笑っており、2つの骨壺に収まっている。

あっけない、あまりにあっけないものだと思う。

私は、実の息子なのに嫁に殆どを任せていて、なにも世話をしなかった。

アルバムで写真を見るうち、自分の知らない母の姿を見て

自分がなにも知らなかったんだなと思った。

カチカチの土になった畑をクワで耕して、色んなものを作っていた。

父は協力的でなかったため、いつも一人でやっていたらしい。

ちょっと、何か手伝うくらい出来たんだろうに何もしなかった自分。

丁度反抗期の子供みたいなもんじゃないか…

大人になり切れずに母親を嫌っていた自分が見えた気がした。

些細な色々なことで母を嫌い、話もしないままだった。

トイレや廊下に手すりを付けたりしただけだった。

大した労力でも無かったけれど、母は「ありがとう、ありがとう」と

何度も繰り返していた。

返事もせず、声もかけなかった幼稚な自分。

振り返って、今更悔やんだところでどうしようもないんだが。

でも、急に成長することも出来ない自分は、

父に対しても、素直になれずにいる。

一人前になったつもりで、ひねくれているのは自分なんだろうに。

年老いて呆けて来ている親に対して、ムキになってしまう馬鹿な自分がいる。

このままで、父の死も過ぎ去ってしまうのではないのか。

何のために一緒に仕事をしたんだ。

幼い頃一緒にいられなかった父のために、親のためにそうしたんじゃなかったのか。

してやった…

そんなこと考えずに、育ててもらったと感謝することが出来ない自分がいる。

素直になれない、幼稚な自分の姿が見えてしまった。

ダメだぞ、お前。