智に働けば角が立つ
情に棹させば流される
意地を通せば窮屈だ
とかくに、人の世は住みにくい
【解説】
『草枕』冒頭に出てくる名句。人づきあいの難しさを説いたもの。世間の人とつきあうときには、頭のいいところが見えすぎると嫌われる。あまりにも情が深いとそれに流されてしまう。また自分の意見を強く押し出すと、衝突することも多く世間を狭くする。人づきあいというのは、智と情と意地のバランスを上手にとらなければならず、なかなか困難なことだ、というのである。
一つだけ受けた大学の小論文の出題の文章だった。
そのことは、しっかりと今でも記憶に刻まれています。
どんな小論文を書いたかは、全く憶えてないけど・・・
今思えば、そんなに難解な文章では無かったんだけれど
ご丁寧に、買った小論文の書き方という本に、このタイトルの例題があったのに
眺めただけで読まなかったというお馬鹿だった。
でも、あの本に例題があったのに、ということだけは思い出していた。
そのことばかり考えていて、「しまった」という後悔の念ばかりで
この文章をきちんと考えていない馬鹿な自分だった。
今思えば、そんな難解な文言でも無かったと思う。
そんな、しょうも無い事でうろたえるあの頃の自分だった。
今もそんなに変わってないのかも知れないが。
ただ、不合格だったことで、自分の進路が変わったんだが
結果として、そんなに大きな事では無く、進み方が変わったというか
ゆっくりと自分に合った資格の取り方をすることになったのではないかとと思う。
良い人たちと知り合えたし、色々な人生経験が出来たと思うし
良かったこともそうで無いことも含めて、結果として看護師という資格を取って
臨床経験を積むことが出来たのだし、私のようなお馬鹿さんにとっては
人生を上手く生きてこれた方では無かったかと思うんです。
出会った人に恵まれていたと思うから。
思えば、最初の躓きで大きく歩む道が変わったようにも思うけれど
そのことが、この一節を忘れられなくしているのかも知れない。
これも、一つも思い出なんだろうな。